アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、良く知られている皮膚疾患のひとつです。

 

アトピー疾患には、「喘息」、「鼻炎」、「皮膚炎」があり、
アトピー性皮膚炎は、このアトピー疾患のひとつなのですが、
「アトピー=アトピー性皮膚炎」で、
喘息と鼻炎は、どちらかというと「アレルギー疾患」というようなイメージで
周知されているように思います。

 

また、アトピー性皮膚炎は、急速に患者数が増え、
急に知られるようになった病名でもあることから、
「なんとなくこのような病気なのだろうな。」
とイメージできていても、うわべだけの知識で、
根本的な知識がないという人も多いようです。

 

しかし、アトピー性皮膚炎は、慢性的な皮膚疾患で、
しっかり病気を理解し、根気良く治療をして行く必要があります。

 

子どもの場合は特に、家族のサポートも重要で、
上手にコントロールしていく必要があります。

アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎の症状は、ほとんどが生まれてから一年以内、
赤ちゃんの頃に発症します。

 

生まれた瞬間から症状が出ている赤ちゃんはほとんどいませんが、
生後2週間目あたりから、
口の周りに発疹が見られるようになる赤ちゃんがいて、
生後4ヶ月頃までには、かなり多くの赤ちゃんに症状が見られます。

 

そして、アトピー性皮膚炎の患者さんの8割が
5歳以下の乳幼児期に発症していますが、
一定期間症状が出た後、自然に治ってしまうことも多いです。

 

一方で、5歳を過ぎた後で、
新たに発症したり、再発する患者さんもいます。

 

近年は、小学校や中学校、高校、そして成人になってから
初めて発症したという患者さんも増えています。

 

これは、食生活や地球環境など、
さまざまな環境の変化によるものなのでしょうか。

 

アトピー性皮膚炎の経過

 

アトピー性皮膚炎の経過は、臨床症状にそれぞれ特徴があり、
治療上の取扱いにも違いがあるため、大きく三つに分けます。

 

分け方は、年齢的に分けるというもので、
以下のようになります。

 

(1) 乳児期(2歳未満)

 

(2) 幼少時期(2歳以上〜13歳未満)

 

(3) 思春期・成人期(13歳以上)

 

 

(1) 乳児期(2歳未満)

 

乳児期のアトピー性皮膚炎の特徴は、
口の周りや頬に、赤いポツポツしたものや
ジュクジュクした発疹ができるというものです。

 

また、肘のくぼみや膝の裏、
手首や足首など、汗のたまりやすいシワの部分が赤くなります。

 

そして、乳児期のアトピー性皮膚炎は、4つの型に分類し、
治療や診断の糧としていきます。

 

@ 症状が顔面中心に出る型

 

A 症状が、シワに一致して出る型

 

B 体から四肢にかけて、パラパラと散らばって症状が出る型

 

C まるで硬貨のように丸い形の盛り上がった貨幣状の皮疹が出る型。

 

このほかにも、環状の発疹が出る患者さんもいますが、
この環状の発疹は、一般的に痒みがないため、
アトピー性皮膚炎の発疹かどうかは明確ではありません。

 

乳児期の発疹は、生後6〜12ヶ月くらいまでは悪化することが多いですが、
上手にコントロールをしていくことに、
徐々に治っていくことが多いです。

 

急速に症状が良くなる患者さんもいます。

 

 

(2) 幼少時期(2歳以上〜13歳未満)

 

幼少時期のアトピー性皮膚炎は、
乳児期に発症したアトピー性皮膚炎が治る子どもが多く、
新しく発症する子は少ないです。

 

症状を見ても、乳児期の重症な症状に比べると、
軽症の子が多くなり、
湿疹ができる部位を見ても、
顔面の湿疹が減り、関節部と体の発疹が増えてきます。

 

このように乳児期に比べると症状の現れ方が変わってきますが、
アトピー性皮膚炎では、皮膚の炎症が繰り返すため、
肌がとても乾燥します。

 

特に、乳児期を過ぎた頃からは、肌の乾燥がはっきり目立ってくるため、
保湿剤を使って、しっかり保湿をすることが大切になってきます。

 

 

(3) 思春期・成人期(13歳以上)

 

思春期・成人期のアトピー性皮膚炎は、症状が悪化します。

 

乳児期や幼少期に一旦治癒した患者さんが、
思春期・成人期になって再発することも多く、
再発したアトピー性皮膚炎は、古くからそういわれるように
とても治りにくい病変です。

 

思春期・成人期では、湿疹は顔、上胸部、上背部、肘のくぼみなど
上半身に強く症状が現れることが多く、
特に顔は、「アトピー性皮膚炎の赤ら顔」といわれるように
真っ赤になることが多く、それがストレスとなったり
コンプレックスになるなど、精神的な負担も多くなります。